ガス抜きフィルターについて。
ガス抜きフィルターの働き 
パウチ内のガスを外へ出すためのもので、その際臭いの粒子を活性炭などで吸い取って空気だけを外に出すようになっています。
ガス抜きフィルターの種類
 従来の旧式のものは、活性炭を混ぜ込んだスポンジを使いスポンジを通ってガスが外に出る間に活性炭で消臭するという単純な構造になっています。しかし、ガスの抜け方が速すぎると消臭が不十分になるため、ガスの抜ける道をわざと長くしたり、活性炭の代わりに活性炭よりも吸収の速い材料を使った製品が発売されるようになりましたが、パウチに元々付いているものは経済的な理由もあり活性炭を使用したものがほとんどです。つまりガスの抜ける道を長くしたの段階です(活性炭の場合、同じ量だと吸収スピードを速くすると吸収量が少なくなってしまう特徴が有ります)。
 最新のものは、スポンジが濡れてしまったら消臭が出来なくなってしまうため、大きい分子は通さないがごく小さい分子は通す、つまり水や水滴は通さないが空気や水蒸気・臭いの分子だと通すとい特殊なシートを活性炭の部分の入り口部や出口に貼っています。これは小さい分子しか通しませんので当然空気自体の排出スピードも制限されます。それによって確実に消臭するという目的もあるのだと思います。
 特殊な幕の代表例はゴアテックスという商品があり、パウチのメーカーでもそれを使っているところが多いようです。元々はレインコートや防寒着などで防水性で有りながら蒸れない(湿気は逃がす)と言う高級な製品に使われていました。それを使う場所によっても種類がありパウチの内側(ガスの入り口)にのみ使っているものと、内側と外側の両方に使ったものがあります。内側だけに使ったものは水様便などが一緒に出ないように、外側にも使ったものは入浴時に水が入らないように の目的です。
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ホリスター製品とダンサック製品に使われているガス抜きフィルター
パウチの外側
(ガスの出口)
パウチの内側
(ガスの入口)
出口・入り口部分のどちらも特殊なシートが被っています。水様便でもフィルターに染み入る事も無ければ、入浴の際外から入ることも有りません。ガスは右写真の黒い部分(特殊シートは透明です)から入り、左写真の黒い部分から排出されます。白い部分は空気も水も通しません。裏表で白黒が逆になっているのはガスが出来るだけ長く活性炭の中を通るようにするためです。
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コロプラスト社センシュラシリーズ製品に使われているガス抜きフィルター
パウチの外側
(ガスの出口)
パウチの内側
(ガスの入口)
入り口部分(パウチの中)だけ特殊なシートが被っています。出口部分には有りませんので入浴時には付属のシールを貼る必要があります。シールは左側写真に見える丸い部分に貼ります。
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コロプラスト コロフィルター
アルケア ガスクリン
左の二つは後付けの製品になりますが、パウチの上部に1〜2ミリ 程度の小さな穴か切れ目を作り、その真上に円盤の中心の穴が来るように貼り付けます。穴以外の部分は接着剤が付いていますので空気は通しません。ガスは穴部分の側壁から入り、表側の外側の側壁から抜けるようになっています。
ガス抜きフィルターの問題点
 1、ガスの抜け方が速すぎたら
 
消臭が不充分になってしまう。
パウチ内の空気が抜けすぎてぺちゃんこに成り、便が下に落ちにくくなる。
 
 
 2、ガスの抜け方が遅すぎる または抜けないと
 
パウチが膨らんでパンパンに成ってしまう。ひどい場合はパウチが外れてまたは剥がれて便が漏れてしまう。
 
 2の原因
 
 2−1 旧式のガス抜きフィルターの場合
 
外から水が入ったり、パウチ内からスポンジの中に水や便が詰まってしまい空気の通り道をふさいでしまう。
 
 2−2 旧式でも新式でも 
 
パウチ内のガス抜きフィルターへの入り口部分に便や消臭潤滑剤が付着し同様の事を引き起こす。
 
 2−3 新式のフィルターは
 
ほとんどがゆっくり抜けるようになっています。特殊フィルターを通していますので速くするにも限度が有り、1の問題改善するという目的も有ります。パウチを手で軽く押さえるとある程度速く抜けますが基本的には一定スピードです。しかしパウチを使う人から見ると、人によってガスが多い人もいれば少ない人もいる、同じ人でもその時々により多い日も有れば少ない日もある、という事が有りますので極端に多い日はガスが抜けないと感じるかも知れません。
 
 2−4 2−2の原因としては
 
ガス抜きフィルターの取り付け位置等も関係するのかもしれません。メーカーや同メーカー内でも製品群によってパウチの形状や取り付け位置が微妙に違っている場合が有ります。また、ストーマが造られている位置や体格も関係してくると思われます。仰向けに寝ているときパウチの上部が下部よりも低い位置になる状況だと消臭潤滑剤がフィルターの裏側に付着してガスが抜け難くなります。特に消臭潤滑剤はパウチの内壁につき下に落ちにくい(パウチと便を直接触れさせない、潤滑剤が落ち易いと頻繁に使用しなければいけない)ように開発されています。便の場合も同じでその時々で状態が違いますので粘性の強い便の時は目詰まりを起こすかも知れません。ガス抜きフィルターがパウチの最上部・皮膚側でない方についているものは便の目詰まりによるトラブルは比較的少ないようですが、そうでないものはしばしば寝ている時に目詰まりが原因でパウチがパンパンになったり、あるいは最終的には便の漏れにつながったりという事が起きているようです。
 
 
 
 
対策
これで決まりと言ったような有効な対策はありません。
パウチ内のフィルターへの入り口部分に便が付着するのは就寝中がほとんどと思われますので、2ピース装具の場合はパウチの向きを調整して便を落ち易くしパウチ上部に滞留しにくいようにする。潤滑剤をあまり大量に使用しない。拡げる場合もパウチの上の方には拡げないよう気をつける。または消臭潤滑剤ではなく消臭剤(さらさらの液体)を使うという方法も考えられます。
2ピース装具の場合は便の排泄作業の際、フィルターの裏側を特に丁寧に拭取る。以前は2ピースパウチのフィルター部分と面板との接合部分の上端との中間に隙間テープを張り便が上に行かないようにしている人もいましたが、可能な商品は現状ではかなり少ない(近年発売された商品はパウチの上部部分が低いのが多く、隙間テープを貼る面積が確保できないものがほとんど)ようです。
ただ、各メーカーでいろんな工夫がされていて、新型のガス抜きフィルターについては以前のものと比べて、上記のようなトラブルについての相談も非常に少なくなっています。
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メーカーや製品によってはフィルターの性能や取り付け位置が違います。上・左側の2点の製品はパウチ内の上面に当たる部分についていますが、右側の2点は(同じ製品で方向を変えて撮ったもの)はパウチ内の下面(皮膚保護剤側)に付いています。
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 ここ10年ぐらいの間に発売されたガス抜きフィルター(パウチに最初からついている)は どのメーカーも消臭対策はがっちりですが、ガスが極端に多い場合や、日頃から多い方には無理がある場合も(たぶんまれに)有るようです。久しぶりに各社のガス抜きフィルター(ワンピースパウチのみ)の抜け方を調べてみましたが、どのメーカーも抜け方が悪くびっくりしました。たぶんほとんどの方がこれくらいの抜け方で問題がないのでしょうが、「パウチの上から軽く押さえて」などではとても対処できるような抜け方ではありません。また「ガスが少なくなるような生活習慣を」というのも簡単ではありません。
 前記の「ほとんどの方」に入らない場合は、30年以上前から発売されている外付けのガス抜きフィルターをプラスするしか方法はないのかもしれません。単純な構造ですから問題はありますがガスの抜け方は速いです。シャワーや入浴では簡単に水が入ってきますので幅の広いテープで防水する必要もあります。使い捨てにしたくてもパウチからはがすのが結構大変のようです。パウチとともに使い捨てにするなら別です。
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