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メーカーでは出来るだけ不良品を出さないよう製品のチェック・原因の調査等がんばっているのですが、どうしても現在では大規模工場での製造ラインによる流れ作業で製造している場合がほとんどで、製品の形状、機能性などの性質の点でサンプル検査しか出来ない等の理由で、不良品ゼロとはなかなか難しいのが現状のようです。 
そこでどのような場合が不良品の可能性が高いのか、また反対に不良品と勘違いし易い場合など、ご紹介いたします。不良品ではと思われる場合メーカーもしくは購入された販売店にご相談ください。
不良例1 
面板あるいはパウチの粘着がいつもよりつき難く、すぐ剥がれてしまう。
予想される不良原因 
1、粘着面に貼ってある保護シールが正確に貼られていないため、粘着面と保護シールがずれていたり、その間に隙間ができ空気が入ってしまっていて、それが原因で粘着面の皮膚保護剤が乾いてしまっているため、粘着力が弱くなっている可能性があります。 
不良品と勘違いし易い例
1、
 皮膚保護剤の粘着面に張ってある保護シールを剥がした後、あまり時間を置くとその間に粘着面の表面が乾いてしまうことがあります。特に暖房の風が当たる場所などは要注意です。
 また、ストーマにあわせハサミで穴を開ける製品をお使いの場合、そのとき普通は保護シールを貼ったまま切る様になっていますが保護シールを剥がして穴を開け、その後保護シールを貼り戻すというやり方をすると、それを使うまでの間隔が長いと表面が乾いてしまう恐れがあります。一度剥いだ保護シールを元通りに貼るのは容易ではありません。
2、
 上記と同じような原因ですが、輸送中に長時間高い温度にさらされた結果、粘着力が弱くなってしまう。
 皮膚保護剤の粘着剤は人の体温で徐々に柔らかくなる様にできています。軟らかくなるだけでは問題は無いのですが、50度とか60度の高温だと混合した成分にもよりますが、溶解温度の低いものだと解けてしまい保護剤の混合内容が変わってしまいます。特にペクチンやゼラチンは溶解温度が低いため表面のものが溶け出してしまい粘着力が弱まります。
輸送中ではなく、保存状況でも夏場の車の中や窓際の日のあたる場所等高温になる場所がありますので気をつけましょう。
2、
 保護剤に問題があるのではなく、皮膚の方に問題がある場合です。装具の交換のとき皮膚の洗浄が不十分で前回の粘着剤が残っていたり、ふき取りにティッシュを使った場合などティッシュの残りかすが皮膚に残る場合があります。その上から貼っても良く付かない場合があります。皮膚が良く乾いていない状態で貼っても付き難くなります。またふき取りに市販の濡れティッシュを使った場合、サメの油など油脂成分が含まれているものがあります。皮膚にとっては良いものなのですが、軟膏薬や濡れティッシュなどの油脂成分はストーマ装具にとっては大敵です。
不良例2
パウチからの便や尿の漏れがある。あるいは臭いがもれているような気がする。
予想される不良原因 
3、
 今まで何日かもっていたのに最近長持ちしなくなったというような場合。季節的な影響で汗の量が急に増えて装具が長持ちしなくなる事は良くあります。特に露時期から初夏にかけての暑くなり始めた時期や夏の最盛期などは、急に皮膚保護剤の耐久性が悪くなる方がいらっしゃいます。特に術後の年数が浅い方(3〜5年以内)に多いようです。暑い時期はそれだけ汗をかきますし、昼間は冷房の聞いた室内で過ごす方も寝る時は冷房を切って寝ますので多くの寝汗をかきます。自分では気づかない方が多いのですが。 
 最近では、反対に冬場にそういった例が多くなってきています。 電気毛布や電気シーツを使われる方が多くなって来たためだと思われます。その場合はあきらめましょう。風邪を引いて体調を壊すより、装具が長持ちしなくなった の方が良いでしょう。どうしても経済的負担が大きい場合は、その時期だけワンピース製品で短期交換用に作られたものを使うというのものも一手です。
1、
 製造工程でのパウチの接着部分の圧着不良が原因の事が良くあります。 ストーマ用のパウチの場合円形やカーブ部分、また尿用やイレオ用のパイプ部分とパウチ部分の圧着などは技術的にも難しいらしいのです。圧着時の電圧が低いと圧着不良が出て、その部分の接着が弱くなります。反対に電圧が高すぎると火花が散りパウチに穴が開くことがあります。目で見えないような小さな穴だと検品をすり抜けて商品として出回ることも稀にあります(目視で確認できるようなものもたまにありますが)。今はほとんどのメーカーが大規模な工場で自動生産・大量生産をやっていますので、不良品を全部見つけ出すのは難しいようで、20年前や30年前と比べるとかえって多いようです。
2、
 圧着不良には材料自体がずれて圧着部分が広い部分と薄い部分ができている場合も有ります。薄い部分が使っているうちに破れるという事もまれにあります。 また、めったには聞きませんが袋自体に肉眼で判断できないような小さなピンホールが有る様なケースも聞いています。 このようなケースはパウチの製造段階ではなく原料の段階で発生し検査をすり抜けてきたのかも知れません。また袋や不織布を圧着するときの電圧が低いと不織布の接着が弱くはずれ易くなり、反対に高すぎると火花が飛んで袋に穴が開いたり等のトラブルがあるようです。
不良品と勘違いしやすい例
1、
 パウチ内の潤滑剤として花王のサニーナやオイルを多く含んだ商品を使っている場合。サニーナは元々が清拭用に造られています。また清拭の後次の便がつきにくいように、またスキンケアのためサメ油が含まれています。油分は海面活性効果がありますのでパウチの接着部分を剥がしてしまう効果もわずかですが持っています。実際パウチの粘着剤のリムーバーとしても使われています。1日や2日でパウチを壊すことはありませんが、長く使われる方で「それが原因ではないか」というようなケースがまれにですが見られます。たまたまパウチの圧着部分が狭くなっている様な例と重なっての結果かもしれませんが。
2、
 サニーナを使う場合、ガス抜きフィルターの内側にゴアテックス(空気や水蒸気は通すが水や固体は通さない膜)のような特殊なフィルムを使った製品の場合、サニーナがその部分にかかった場合はフィルムがはがれる事が多いようです。サニーナは袋自体の圧着部分も速ければ4日目ぐらいで溶かします。
以上のような不良品の発生状況ですが、20年、30年前と比べてかえって最近の方が発生状況は多くなっているような気がします。以前はオストメイトのための講習会では必ず不良品のチェック方法が教えられていましたが、その心配がほとんど無くなっていた為、そういう話は今はほとんど聞かなくなりました。しかし、最近ではどのメーカーでも不良品ゼロは望めない(程度の差はかなり有りますが)ような状況です。講習会の内容に復活しなければならないような状況になっているのかも知れません。
4、
 冬場の寒い時に貼るとなかなかつきません。皮膚保護剤は人の体温(正確には表面体温33〜34度前後)で柔らかくなり、その事によって皮膚になじみ徐々に粘着力を増して行くようになっています。暖かい季節だと貼る前の皮膚保護剤の温度は25度(室温)程度になっているのですが、冬場、特に1〜2月は保護剤自体の温度が15度、置き場所によっては10度以下になっているかも知れません。そういう場合は保護剤が通常より硬くなっていますので皮膚になじみ難く、また貼った後でも保護剤の温度が体温近くまで上がるのも時間がかかります。表面だけで軽く着いている状態になりますので、すぐに剥がれるかも知れない状態が続きます。厳寒の時期に張り替えるときは前もって保護剤を暖めておいた方が安心です。出来たらその時期には朝のはりかえは避けたほうが良いかも知れません。入浴後の体温が少し暑いくらい(汗は引いて)の時がベストです。寝床やコタツの隅(あまり暑くならない所)にしばらく置いておくのも方法のひとつです。
1、
 不織布に使われている原料には、メーカーによって綿などの天然素材や、アクリル・ポリエステルなどの化学繊維を使ったものがあります。肌触りなどを重視すると綿になるし、強度を重視すると化繊系になってしまいます。綿などの天然素材を使ったものは圧着時にどうしても弱くなりますし、材質自体も弱いので使用途中で破れたり等が出てきます。また、化繊を使ったものでも圧着時の電圧の関係で、接着が強かったり弱かったりが有りで、いずれにせよ不織布の接着は難しいようです。圧着時の電圧のかけすぎを警戒するとあまり強い接着は出来ませんし、不織布を強く圧着使用とすると火花によるピンホールの不良の危険性も高まるようです。
パウチの裏打ちの不織布が弱い。
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